ニンニクは英語でGarlic(ガーリック)と呼ばれ、
中華料理、韓国料理、イタリア料理、フランス料理など
世界中のさまざまな料理に使われています。
肉や魚の生臭さを消す効果があり、食欲をそそります。
また、単に料理が美味しくなるだけでなく、
スタミナ食としても有名です。
ただ、美味しさとは裏腹に、食べた後の臭いが問題となります。
そこで今回は、ニンニク臭いのが消えるまでの時間や、臭いを早く消す方法などを
詳しく紹介したいと思います
ニンニク臭いのが消えるまでの時間はどれくらい?
ニンニクの臭いのもとは、「アリシン」と呼ばれる物質です。
このアリシンは、もともとニンニクには含まれていません。
もともとニンニクに含まれる成分は「アリイン」という物質です。
調理の際にニンニクの細胞が傷付けられると、
アリインが「アリナーゼ」と呼ばれる酵素により、
アリシンに変換されます。
アリシンは、メチルメルカプタン、アリルメルカプタン、アリルメチルスルフィドに
分解されます。
この中で特に問題になるのが、アリルメチルスルフィドです。
これらの成分が口の中に残っていたり、胃腸から出てくると口臭になりますし、
体に吸収されて血液を通じて体中を循環し、
汗として排出されると体臭に、肺を介して息として排出されると口臭になります。
つまり、ニンニクの臭いには、食べてすぐに出る臭いと、
一度体内に吸収されたものが体外に出てくる臭いとの2種類があります。
ニンニクの臭いのが消えるまでの時間は、16時間が目安となります。
ただ、これは個人差が大きいので、
あくまでも目安です。
体の中に入ったニンニクの臭い成分が、
代謝の良い人は、すぐに分解・排出され、臭いは早くなくなりますが、
代謝の悪い人は、なかなか分解・排出されないため、臭いはなかなか消えません。
ニンニクを食べる前や食べる時にできること
ニンニクの臭いが出ないようにするようにするためには、
ニンニクを食べないのが一番です。
と言うと、身も蓋もありませんので、
ニンニクを食べるのを前提に考えると、
いわゆる無臭ニンニクと呼ばれるものを食べる方法があります。
また、発酵黒ニンニクも、ニンニクの臭いはかなり抑えられていて、
おいしく食べられます。
次の方法として、ニンニクを加熱処理する方法があります。
前に述べましたように、
アリナーゼという酵素が、アリインをアリシンに変化させるので、
このアリナーゼを働かないように、加熱させれば良いわけです。
酵素は、タンパク質でできていますので、
加熱することで構造が変化してしまい、
酵素としての働きが無くなります。
また、加熱することで、揮発性の臭い成分が飛んでいきますので、
臭いを抑えることができます。
更に生ニンニクは、腸内細菌を殺してしまい、
体の調子を悪くしかねませんので、
加熱してから食べるのが体の為にも良いようです。
加熱する方法としては、電子レンジでチンするのが手軽です。
調理すると、細胞に傷が付いて臭いが発生しやすくなりますので、
丸のまま、電子レンジでチンするのがコツです。
ニンニクを食べる前に、牛乳を飲んだり、林檎(りんご)を食べておくと、
ニンニクの臭いが出にくくなります。
牛乳には、アリルメチルスルフィドの濃度を下げる働きがあります。
胃腸の粘膜をコーティングして吸収しにくくしていると考えられます。
林檎(りんご)には、ポリフェノールと酵素が含まれ、ニンニクの臭いを抑える効果があります。
ニンニク臭いのを早く消す方法
ニンニク臭いのを早く消す方法としては、
食前にもおすすめした牛乳を飲んだり林檎(りんご)を食べるのは、
食後に行っても効果があります。
また、食後にサクロフィール錠という医薬品を飲むのも良いです。
サクロフィール錠の主成分は、銅クロロフィリンナトリウムで、
1錠中に15mg含みます。
この銅クロロフィリンナトリウムが、体の中で臭いの原因物質に作用し、
口臭を取り除きます。
このサクロフィール錠は、ニンニクの臭いだけではなく、
他が原因の口臭にも効果があります。
ブレスケアは医薬品ではありませんが、
やはり臭い消しの効果があります。
緑茶にもニンニク臭いのを早く消す効果があります。
緑茶にも林檎(りんご)と同様にポリフェノールが含まれ、
臭いが中和されます。
活性炭を飲む方法もあります。
活性炭は、医薬品にもなっていますが、
竹炭(ちくたん、たけずみ)などのように、
食品としても販売されているものがあります。
活性炭は炭の粉で、多数の空洞があり、この空洞が多数の物質を吸着します。
医薬品として利用される時は、いわゆる毒や病原体の吸着に利用されますが、
臭い物質も吸着しますので、ニンニクの臭い消しにも役立ちます。
まとめ
漢方では大蒜(たいさん)と呼ばれますが、不思議なことに
漢方薬としては余り使用されません。
漢方の古典として有名な『傷寒論(しょうかんろん)』という書物には、
桂枝湯(けいしとう)という漢方薬を飲む時の注意に、
ニンニクなど臭悪等物を禁じる旨の記載があるくらいです。
ニンニクは、日本では、漢方薬というよりは民間薬として使われることが多いようです。
医薬品の滋養強壮剤としても多くの商品に配合されていますので、
効果があるのは間違いないと思います。
ここにある臭いを消す方法を試して、
ニンニクを活用して、元気な生活を送って下さい。
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